メンサー華子通信

TIVAA再び

先週、予定を調整して Tokyo International Vocal Arts Academy に参加してきました。
ニューヨークからメトロポリタン歌劇場の副指揮者をはじめとするコーチ陣を招聘して行われる、歌い手のための講習です。

二年前に開催された第一回に参加したときは、不調から抜け出せず、優秀な若い歌い手の中でかなり苦しみました。
あれから正しい指導の下で基本から発声をやり直し、声のコントロールと これまで自分に蓄積されていたものとが繋がり始めたのが一年経った頃。
歌うことに伴う様々な恐怖に立ち向かうハートと技が伴ったところでの、参加です。
全日参加は無理でしたので、他の受講生の通訳をする傍ら、三回だけコーチングを受けました。

大好きなコーチのお一人、ハワードと。
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今回のレッスンは友人と計画的に曲を準備したおかげもあって、コーチの指摘の意図をクリアに理解しその場で修正ができた、充実感を覚える内容になりました。
ハワードは世界中での講座や劇場公演に携わる生活で数えきれないほどの人と出会うでしょうに、なんと二年前の私を、当時の声の問題も 一緒にやった曲も覚えていて、私の成長に驚き喜び、称賛の言葉を並べてくれました。

真摯に向き合い続けていると、いいことがありますね。歌うのが楽しい。

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V4のご縁

三年前のクリスマスに、ヴィシェグラード4(通称:V4)のイベントで各国(ポーランド・チェコ・スロヴァキア・ハンガリー)のクリスマスキャロルをアンサンブルと演奏したご縁で。
先週、ポーランド大使館で行われた催し物にお呼ばれしてきました。
各国のフォークダンスを愛好する皆様のプレゼンテーション、そして歓談と軽食!

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ご一緒する仲間もなく一人で伺ったのですが、沢山の方々と交流ができて楽しかった。
スロヴァキアのビールと、ハンガリーのワインを手に、グヤーシュやクロケッティもなどお腹一杯いただきました。

それにしても、踊りと音楽は切り離せない関係です。
最近、なんのジャンルでもいいから格好よく踊れる曲を作りたいなぁと…夢見ております。

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さて、こちらの写真は・・・同日に友人と行ったランチ。初のペルー料理です。
紫トウモロコシを煮出して、シナモンやグローブ、レモンで味付けしたジュース、チチャモラーダ。
キヌアやアボガド、たっぷりの野菜が入ったスープ。
エビのクリーム煮ピスコ風と、友人オーダーのビーフと大豆の煮込み。
予想に反してスパイシーさは全くなく、優しい味付けでした。


はっ! いつの間にか食レポになっている。
踊り < 音楽 < 食べること ・・・ええ、私はそういう女です。 

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生徒さんたちと

今月は、キャリアウーマンの生徒さん達とレンコン専門店に飲みに繰り出し。
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マダムの生徒さん方と、神楽坂のお薦めイタリアンでランチをいただきました。
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どちらの会食もたまたま、長いお付き合いの方と最近入会なさった方をお引き合わせする形になりました。
私の生徒さんの多くは年上の女性なので、彼女たちの経験話から何かしら学べる貴重な時間ですし、レッスンだけではわからない一面が垣間見られておもしろいです。

お気づきのことと思いますが、こうしてレッスン以外の時間を積極的にご一緒するのは、生徒さんとの距離を縮めて上達への近道を模索したいから。
・・・なぁんて考えてのことではなく。ただ単に私が楽しいからです。
今回ご都合の合わなかった方、まだ声をかけられてませんという方、ご希望により随時計画いたしますよ!笑

「親は子供を育てるのではなく 実は育てられているのだ」・・・よく言われる言葉ですが、他の様々な事象も同様ですね。
チャーミングな生徒さんたちに、ついでに音楽に真面目に向き合ってきた自分に、感謝したくなるこの頃。

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狂言体験 その2

記憶の薄れないうちに…その2です。

発声の後は、面や装束など、貴重な品々を拝見。
狂言にお面をつけるイメージはありませんでしたが、演目によって動物や老人、女や鬼の面が使われるそうです。
ここで我がままを言って、なんと、面を実際につけて歩かせていただきました。
かなり視界が狭まるし、顔の角度によって面の表情も変わるのでしょうから、これは慣れるのに相当な訓練を要するだろうと想像します。
お衣装は、もちろん素敵でしたが、雅楽の舞やお能に比べると質素。庶民を描いた狂言ならではでしょうか。
そして、じゃ、じゃーん! 太郎冠者の衣装を着つけていただきました。・・・どお?
そういえば袴を穿く時に「左足からね」と言われました。日本では左から始めるのが常套らしいですよ、マメ知識。

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次はいよいよ、舞台でのお稽古。
摺り足での歩き方。扇を使ってお酒を飲んだり、垣根を切ったり。先に練習をした「兎」の振り付け。 太郎冠者が二つ台詞で登場するシーンなど、教えていただきました。
時間が足りずに駆け足になってしまったので、もっともっとやってみたかったなぁ。でも楽しかった。

最後に、我々六人のために万蔵氏とお弟子さんが「盆山」を演じてくださいました。
ほんの少し学んだだけなのに様々な視点が生まれたようで、知っている演目が新鮮に映り、贅沢な時を満喫しました。
我々のオペラ業界もそうですが、子どものための体験教室はあっても、大人のため・・は意外になかったりするんですよね。
とても楽しく、有意義な体験になりました。直感に従って参加してよかった。
来月はお世話になった萬狂言の皆さまの本番を観に、能楽堂へ参ろうと存ずる。←狂言風。笑。

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狂言体験 その1

さて。ようやく狂言のお話です。

私はマダムになる前から、つまり20歳そこそこの時から美容院で見る雑誌の定番は、ハイソなマダムをターゲットにした「家庭画報」や「婦人画報」。
美しい写真が多いし、質の良い食や美術品の案内、美意識を刺激する内容が昔から好きなんです。
そんなわけで、いつもどおり美容院で開いた婦人画報。
そこで目についたのが大人のための学び特集~野村万蔵氏による一日狂言教室。
興味をそそられて、即、申し込みました。
参加したのは素敵マダムお三方に、男性お二人、私の六人。

体験教室は、座学からスタート。
お能と狂言はペアで「猿楽(明治以降は能楽になる)」と呼ばれ、その歴史は奈良時代あたりに始まる古いものです。
猿楽の名の由来は、雅楽に対して散楽と呼ばれていたのが変化したのだろうとのこと。
お能と狂言は、オペラで言うところのセリアとブッファ・・いや、少し違うな。神様の徳を説く神事と、庶民にも理解できる笑える人間模様のお芝居、という区分け。
そして鎌倉や室町時代に地方の神社の祭事や土着の芸能と結びついて、民間神楽や田楽になっていったらしい。
こうして室町時代に大枠が完成した猿楽は、地方でも行われる所謂「興行」だったわけです。
ここで、あれ?猿楽にはどちらかというと敷居が高いイメージがあるけれど・・・。
そのわけがすっきり氷解。
猿楽は幕府の庇護を受けたため、徐々に大名のものになっていったのですね。各藩が猿楽師をお抱えにしていきます。
江戸時代になると家康の「武士の式楽は猿楽である」との宣言からこれに拍車がかかり、庶民から離れていった、と。
そこで庶民の間で発生したのが、歌舞伎や浄瑠璃というわけ。なるほど。
そして明治維新で大名が消え、猿楽は新たに能楽という名で、市民側へ戻ってきたのです。

お勉強の次は発声。待ってました!
「兎」という謎かけの短いテキストを、万蔵師匠を真似る形で何度か繰り返していきます。
お腹から声を出すのに苦労はありませんが、音を長く引きずる際に、どうしても息を上にぬいて楽をする習慣があるので、そのあたりが難しかったかな。
万蔵さんの発声や言葉の扱いに対する説明は、私が常々生徒さんにお伝えしていることと全く同じで、舞台芸術の共通性を強く感じたりもしました。
そうそう、テキストの読みを平坦にしていくとお能っぽくなり、間を置いたりより大げさにしたりすると歌舞伎調になるのを実演していただいたのは面白かったな。

いただいたテキストを書き写して、「その2」はまた後日。

「兎」  あの山から  この山へ  飛んで来たるは 何ぢゃるろ
     頭(かしら)に二つ  ふっぷっと  細うて長うて ぴんと跳ねたを
     ちゃっと推した  兎ぢゃ

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神前結婚

狂言のことを書く予定でしたが、今宵は別の 「和」 のお話を。

スケジュールの都合でフランス語に通うのを止めて大分経ちますが、その時の仲間との交流は続いています。
プロ級の料理の腕を持つお茶目マダムEさん。
キュートでアグレッシブなフリーアナウンサーのCさん。
多趣味で気遣いのウェディングプランナーTさん。
先月、マダムお薦め銀座の割烹にて(あ、これも和!)久しぶりの再会を果たしました。
そしてTさんが新たな人生のパートナーを得た話で盛り上がり・・・お二人の結婚式にご招待されたのでした!
その瞬間の嬉しい笑顔のお写真。

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こちらが一昨日参列したその結婚式のお写真!
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神前式は、はるか昔に叔母の誰かの結婚式で三々九度を見た記憶がうっすら残っているだけで、私にとってほぼほぼ初めての経験。
控室で桜湯をいただき、白無垢に角隠し姿のTさんと和装がキマっていたフランス人のご主人Jさんと、我々三人でパチリ。
手水でお浄めをしてから、生演奏の笙と横笛に導かれ、花婿・花嫁に続いて式場へ。
お祓いをしていただき、三献の儀、巫女さんたちの舞、新郎による誓詞。
誓詞は日本人にも難しいと思われますが、Tさんが準備したローマ字表記の紙をつかえながらも懸命に読み上げていくJさんの姿に心が温まります。うちの主人だとどうなるかしら?なんてついニヤニヤ想像してしまう。
それから玉串を奉納して、息の合った二礼二拍手一礼。その後再び巫女さんの舞。
これまで参列した友人たちのお式は、ドレス姿のチャペルでのお式ばかりでしたので、神前での結婚をとても新鮮に感じました。
挙句、神前式初心者のくせに、新郎友人のフランス人の方々に「これは撮影禁止なの」とか、「立って」「頭下げて」とか、少々疑わしいフランス語でお節介を焼き、日本文化の一端をお示ししたような気になっていたのでした。

その後の披露宴では、Tさんのご友人たちと親交を結びつつ、次から次へと供される日本料理とフランス料理のお皿を平らげて、とても楽しい時を過ごしました。
Tさんの選んだ方ですから心配はしていなかったとはいえ、実際にお会いしたら、新郎のJさんがTさんを心から愛していて 式にも感動している様子が伝わってきて、スピーチではうっかりうるっとしちゃいました。
若い時には何とも思っていなかったけれど、いやぁ、結婚式っていいものですね。

私自身は様々な事情で、挙式も新婚旅行もしていません。
それを知るフランス語仲間たちは、ウェディング・お料理・司会のプロフェッショナルなわけなので、次は私のお式をプロデュースすると言ってくれています。
でも実現するなら痩せなきゃな…と、いただいた写真をみつめながら思う今日この頃。

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雅楽

西洋音楽を専門とし異国に興味津々の私ですが、ふとした時に顧みて思うのは、私は果たして 日本 を知っているのか・・ということ。

実は、以前舞台でお世話になったプロデューサーさんにお誘いいただいて、四月に宮内庁の 雅楽演奏会 に行ってまいりました。
そして昨日は、野村万蔵氏の下で行われた 狂言の一日体験教室 に参加。
そんなわけで、今回はこの二つの日本芸能体験について書いていこうと思います。

まず。雅楽の話。
雅楽とは、中国や朝鮮から伝わった器楽や舞が次第に日本化され、平安中期におよそ現在のかたちに完成した日本の古典音楽です。
宮中・貴族社会・有力社寺などで行われてきた文字通り雅やかな音楽で、現在では宮内庁の楽部がその継承を担っています。

雅楽の形態は 楽器のみの管弦・舞の入った舞楽・歌の入った歌謡の三つに分かれており、私が行った春の会では、管弦と舞楽とが奏されました。
会場はこんな感じ。玉砂利の上に並べられた小さな椅子に腰かけるので快適・・・とは言えません。

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雅楽を聴くのは、大学の日本音楽史の授業で聴いた音源以来。生は初体験。
お誘いくださった殿方お二人は、地元の神社で雅楽演奏をなさる勉強熱心な方々。
というわけで小さな席にお尻を収めつつ、湧きあがるたくさんの質問をぶつけつつ、自分にとっては馴染みのクラシック音楽と対比させながら演奏を聴いていきました。

楽器は笙(しょう)・篳篥(ひちりき)・龍笛(りゅてき)などの管楽器。 琵琶・筝など弦楽器。 鉦鼓(しょうこ)・太鼓(たいこ)・鞨鼓(かっこ)の打楽器に分類されます。
打楽器がリード役、メロディーをとるのは管楽器、弦は主に伴奏の役割。

とても興味深いのが、拍を合わせないこと。
オーケストラが指揮者の棒を見て音を合わせるようなところがなく(それぞれの楽器間では揃えているようですが)、ドン(太鼓)・・てゅあ~(笙)ぴゅひ~(笛)・・べべん(筝)・・みたいな。

太鼓はほぼ強と弱を交互に繰り返し。西洋の楽器に比べて音域の狭い主役の笛も型を繰り返す。付随する筝もしかり。
この繰り返しが、眠気を催させたり、はたまた広大でとらえどころのない宇宙空間を感じさせたりする一因なのかも。
そして誇張されたディナミークはなく、トゥッティ(すべての楽器で)で盛り上がる小節もなく、終曲に向けてふっと楽器が消えていくアンチ・クライマックス。

おもしろい。同じ地球上でも気候が人が変わると、こんなにも違いが生まれるんですね。
地球の多様性と、その多様性に触れる機会を多く持てる時代に生きていることに、わくわくします。

後半は四方を固めたアマノニスのような面をつけた四人の舞が加わりました。
私はゴージャスな刺繍のほどこされたリッチなお衣装に釘づけでしたが、珍しい演目だったらしく、雅楽ツウのお二人が興奮なさっていて可愛かったです。

さてさて。雅楽話が思ったより長くなってしまったので、狂言話は次回に持越し。

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挑戦

今月は、音楽的に挑戦した本番がありました。

一つは講師に作曲家の末吉保雄先生をお迎えしてのフランス歌曲研究会。
私が歌ったのは、E.サティの作曲した三部からなる交響的ドラマ「ソクラテス Socrate」から第三部「ソクラテスの死」。
(以下引用)
テクストはプラトンの「饗宴」・「パイドロス」・「パイドン」の仏語訳からソクラテスの死に関する部分をそれぞれ取り出し、脚色せずに用いられている。 延々と続く散文がひたすら平坦に朗唱される。ドラマティックな盛り上がりは慎重に避けられ、どこまでも静穏な音楽が続く。最後に伴奏が規則的な音型が繰り返し、次第に弱まっていくなか、ソクラテスの鼓動が止まる。

ふっ。めっちゃマニアックでしょう?自ら選曲することはないであろう作品です。
音価は単純なのに、微妙な転調に惑わされ、結構譜読みが大変でした。音楽的にも盛り上げられないし。
そんな難曲でしたが、作曲家の視点というのは素晴らしいですね。
哲学的・音楽的な先生の解釈を伺っただけで、楽譜の見え方が変わるのです。
今後この曲を本番にかけることは…ご依頼がない限りないような気はしますが、それでもこの手の曲に向かい合う楽しみが少しわかったような気がします。


二つ目はこの週末に、渋谷で「チェコを楽しむ会」へ出演。
チェコ関係で、よくお声掛けくださるピアニストの沢由紀子さんの企画です。
歌ったのは定番、ドヴォルジャーク作曲のオペラ「ルサルカ」(内容はほぼ「人魚姫」です)からアリア。
そして、挑戦曲は・・・タンゴ!

チェコから来日しているカップルの踊るタンゴのバックで生演奏したのです、超有名なあの「ラ・クンパルシータ」を、ピアノ・フルート・ヴァイオリンと一緒に。
時々映画音楽やジャズ、シャンソンなどは歌いますが、タンゴは初体験。
しかもアンサンブルと一緒なので、勝手に音も歌詞(日本語)もアレンジし、適当にオブリガートもつけて。
ひゃー、楽しかった。そして、私も踊りたくなりました、セクスィーダンス!

チェコと言えばビール。ということで、打ち上げはキリンシティへ。
アンサンブルでご一緒した皆さん(素晴らしいお人柄の沢さんに、優しくて大好きなヴァイオリンの真理さん、そして初めてご一緒したフルートのまこさんは桐朋の先輩でとても気さくな方)と、お客様方と、喉を鳴らしました。
それにチェコからのゲスト、イトカとマルチンとも英語とフランス語で様々語り合い、すっかり仲良くなりました。
〆のラーメンまで一緒に食べたもんね。(ところで飲み会の〆にラーメンを食べたのは実は初めてです)
来年以降、彼らとのバロックダンス共演があるかもしれません。企画欲が沸き起こっています!

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新しい曲、ジャンルに挑戦する機会をいただけて感謝。どちらも楽しみました。

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